誘惑者〜董将軍視点 −aoi様


Illustrated by aoi in 2005


董平はこの青年が気に入っていた。
若者らしい快活さと飾り気のない態度に好感を持っていたし、話しをしたのはほんの僅かでも、実直で知性を感じさせる言葉に惹きつけられた。
ならば彼は愛撫を許すような、挫けて涙ぐむような、頼りなく他愛ない子供ではないはずだ。
―――泣いてはいけない。あれはお前の従僕。
我侭な小童が、お前に逆上せ、想い違いをしただけではないのか。

次の瞬間、楽俊は弾かれたように振り返ると、昂然と頭を上げて董平を見た。
優しい眉は険しい山となり、頼りなく潤んでいた瞳は強い意志を取り戻し、口元を引き結んでいる。
苦痛は怒りに変わり、歪んでいた表情は真直ぐなものとなり、冴え冴えとした印象を与える。
董平は目が離せなくなった。

赤狗様作「転身譚6」より 
 



<赤狗様の叫び>
背景が変われば董平視点に〜〜
これはこれで、さわやかだが誘ってる。。。
画が生きてるからできるワザですね!


<管理人の蛇足>
こちらは背景を変えたバージョン。aoiさんは普通だと日記に書いていらっしゃいますが、わたしにとってはaoiさんに描いて欲しかった情景だったので、董将軍視点でどんぴしゃりだったのです。
実はここだけの話、aoiさんの日記を拝見したばかりの時には翅豹視点の文章がどこのシーンかも気づいていなかったです・・・(--;)
どうもわたしの妄想はオヤジ視点にしか働かないらしい?
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Albatross−赤狗様的幻想世界イラスト・コレクション−
背景素材:トリスの市場

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