あらざらむこの世のほかの思ひ出に

いまひとたびの逢ふこともがな













死んでしまうのだろうか







死んでしまうのだろうか





ああ、



恐らくは


そう


私は

魂を
ここに

留めてはおけない









きっと



この命は体から

滑り落ちてしまう










まだ




まだなのに









再びまみえる事も叶わず

息絶えてしまうのだろうか



私は


二度と

巡り逢う事もなく




私は






わたしは












本当に?






――まだだ



息絶えては
いない




未だ
消えてなど

ない



それなのに



どうして

諦められるだろう







もう一度

せめて、もう一度


どうか――











ああ!











湯を浴びる支度を終えて、鈴は彼女をそちらに案内した。
その、服を脱ぐのを手伝いながら、鈴は肌が露になっていくのを見る。
女性にしては広いその背中には、幾つもの傷と、傷跡が見える。
鈴は手早く畳んだ服を置き、手を取って進めるとその人は湯をはった中にゆっくりと身を沈める。
座り込んだ彼女は、自身の腕を掴み俯いた。
鈴はしゃがみ込み、ためらいながら声を掛けた。
「痛みますか?」
彼女は、鈴の方へ応える。
「・・・少し」

痛むのは、傷だろうか?


This fanfiction is written by YURI in 2004

[無断転載・複製禁止] Reprint without permission and reproduction prohibition.


読んで下さいと頼まれれば、当サイトに頂けるものと管理人は思い込むのです。
詩の方は「カラー版田辺聖子の小倉百人一首・下」(角川文庫)から現代語訳を思いついたとか、それで百人一首にも投稿できないと、わたしに送られたのでした。
最後の文章は岡田嘉夫氏による挿絵から思い浮かんだそうで、どちらも同じ和歌からインスピレーションを受けたから、と一緒に送られてきました。
ならば、一緒にアップすればいいのねっ♪、とレイアウトしてみたのですが、いかがです? いい感じでございましょ?
たまにはこんなのもいいものですよねv
NEXTでイラストをご覧になれます。


 Albatross−由里様的常世語り−
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