馬桜花節イラスト−とのき様


Illustrated by Horu Tonoki in 2004


 その時、彼は頭を上げ、

 神を見た。

 延の大地に根を張り、

 天を支える神樹の存在を認めた。

赤狗様作「馬桜花節」より 



<とのき様より>
もう最初に読んだ時から、「とりあえず描くならこの場面は外せないわ!!」と。ずっと描きたかったんですよ…(その割に頭に浮かんだものと出来上がったものが……表現力が未熟すぎ…)
これ描くために、2を読み返しながら、結局最後まで読んでしまったり…(笑)
本文で大満足して、うっかり後ろの木は延王に被り物させようか、とかネタの誘惑と戦いながら描いてました。
う〜〜、読ませていただいている時は色々と感想として述べたいことがあるのですが、何せ上手い言葉が出てこない上、アッタマ悪い内容になりそうなのでやめておきます……
「〜花の元にて〜」も大好きです!延王はサバサバウ〜ズウズグ〜ルグルしていてフッとなるのがツボでして。(さっそくアッタマ悪い文章だ……というか、文章ですらないんじゃ…)
赤狗さんの延王と楽俊と、陽子さんと、それぞれの関係も本当に好きですvv


<赤狗様より>
神樹について
 十二国記の中には「捨身木」「路木」「里木」「野木」という木が出てきて、命の源として大切な役割を担っています。おそらくこれは中国古代の書「山海経」や「淮南子」に出てくる「若木」「建木」「扶木」「扶桑」といった神格を持つ神話的な大樹のイメージもかかわっているのではないでしょうか。常世の「木」はあくまで十二国記独自のものですが、太陽や神仙信仰と関連をもち天地を貫く「世界樹」が、常世では実存の命の木として登場するというのは、なかなか納得できる設定です。
 さて、古代中国史のなかで「○木」というものは先ほどの「山海経」「淮南子」「楚辞」等に登場するのですが、具体的になにを表すかは解明されていないそうです。しかし近年になって四川盆地で発掘された三星堆遺跡から、神樹の青銅遺物が発見され、史実としての「山海経」が見直されているところだとか。神樹は古代中国史の謎でもあるんですよね。
 作中の大樹のイメージは「金枝篇」(フレイザー)も参考にしていますが、古代中国史の神樹により添わせているつもりです。
 それにつけても、とのき様の伸び上がるような神樹の画、ピッタリだと思われませんか?

「よみがえる四川文明〜三星堆と金沙遺跡の秘宝〜」東京都美術館2004/8/10〜9/26 に二号神樹の脚と、細かな飾りしなかったのは残念。一号神樹(全像)来ないかな〜


<管理人の蛇足>
絵描きさんって、イメージをカタチにする才能が素晴らしいです。どのシーンかは説明を読まなくてもわかりました。(イラストに気付いたのは遅かったけど ^^;)
このイラストは、とのき様宅「膝の上の文箱」の絵板からご本人の了承を得て攫ってきました。
タイトルが「まおーかせつ」だったのでしばらく気付いていなかったのです。「馬桜花節」だったらすぐ気付いたのに〜!(やはり、フツーは気付きます?)

世界樹はメソポタミア文明にその端を発したと聞いたことがあるのですが、三星堆遺跡って時代的に一緒でしたよね。何か関連がありそうだとは思いませんか?

「古代ペルシアでは天空には恵みの雨を降らせる深海がありその海中には「聖なる樹」(ハマオ)が成育し 、その木からは不死の霊薬が作られるという伝承がある」って、十二国記ファンには啓示的ですねぇ・・・
ちなみにこの木は棕櫚(なつめやし)だそうですよ♪(イランではハマオは葡萄になったらしいですけど)
イスラム世界にはレリーフなどの文様として残っているそうです。
クリスマス・ツリーも樹木信仰の名残だとか。日本は言わずもがな、で=3
それにしても、赤狗さんの十二国記観は語れば語るほど奥深い・・・
赤狗さんの作品は知的好奇心も駆り立ててくれるトコロが面白いですよね。

−メニューへ戻るにはウィンドウを閉じて下さい−


Albatross−赤狗様的幻想世界イラスト・コレクション−
背景素材:トリスの市場

無断転載・複製禁止 Reprint without permission and reproduction prohibition.
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送