Illustrated by MIU in 2005.
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彼の人は寂れた園林の四阿に佇んでいた。彼女はわたしに気付くと、俯いた。 「ごめん、浩瀚が悪いわけじゃないのに酷いことを言った」 わたしは彼女に近づくとその腕を引いて、抱き締めた。実年齢は既に成人していたが、16歳のまま時を止めた彼女の反応はいつまでも少女のままだった。それはいつもわたしの胸を締め上げる。少女の恋と男の愛では互いに求めるものが違いすぎた・・・ だからわたしは彼女の額に口付けるに留めておいた。 「落ち着かれましたか?」 「うん、頭ではわかっていても、心が追い付かなかっただけ。遣り切れないのはわたしだけじゃない、そうだろう?」 彼女はわたしの背に腕を巻きつけて、わたしの袍に顔を埋めた。 「では、お戻り頂けますか。皆も心配しております」 「もう少しだけ、こうしていたい。この腕の中は暖かくて気持ちがいい」 彼女はわたしの背に回していた腕に力を込め、上半身を押し付けてきた。いくら少年に間違われるとはいっても、そのしなやかな腕と柔らかな感触に衣裳の下の姿を想像せずにはいられない。 「炎は自らの熱さは感じられないのですね」 腕の中の彼女は自分の腕を解き、わたしの胸を押してその、碧の瞳でわたしを捉らえた。 「わたしはそんなに体温が高い?」 わたしは首を左右にふって、出来るだけ腕の力を抑えつつ、彼女の胸と腰を引き寄せた。 「不快なわけではございません。焼き尽くされることこそ本望です」 しばらくこの炎はわたしを燻し続けることだろう。だがそれは、この方に出会う前の不幸に比べれば喜びですらある。 この国は未だ女王の恋を受け入れない。その魂の無垢さだけが、この方を護る盾だった。 |
MIU様こと丈田弥希様が「炎帝月帝」4周年御礼企画の記念日5/1から申請者7名までにラフ画のリク権を下さるというので、図々しくも申し込みました。 昨年、一昨年と終わってから気付いて来年こそは、と誓い続けて今年にやっとゲットv(実はアブなかった ^^;) 丈田様の陽子は文章でもイラストでも天然な可愛いさがあるのですvv 仕上がりが白っぽかった、と彩色して下さいました。この素朴さが陽子主上の恥じらいに合いますよねv 丈田様のイラストに合わせて陽子を可愛く書こうとしたのですが、これが限界でした・・・(^^;ゞ 陽子を可愛く書こうとすると、どんどん別人になっていくのは何故だろう? −メニューへ戻るにはウィンドウを閉じて下さい−
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